もう迷わない!『can』『can’t』の発音の違いと聞き分け方を徹底解説!

『can』『can’t』の聞き分けってホントに難しいですよね。

『can』って聞こえたと思ったら、正解は『can’t』だったり。その逆もけっこうあります。

否定語の『not』が付くと文章全体の意味合いが変わってします。だからしっかり聞き分けたいのに、これが日本人にとっては難しすぎるんですよ。

ぼくも『can』『can’t』の聞き分けについてめっちゃ悩んでいました。

英語はよく発音を省略するので、『can’t』の『t』がしばしば読まれません。これが『can』『can’t』聞き分けを難しくしている大きな要因だと思います。

ぼくは以前話の流れやイントネーションで推測していました。

でも推測するためには、『can』『can’t』の前後や音声全体の流れをしっかり聞き取る必要があってめっちゃ大変。

そこで、もっとハッキリと見分けられる方法を試行錯誤。

最近やっと自分なりの方法を見つけられました。

そのおかげか、2017.10月実施のTOEICでは905点(L:455 R:450)を達成することができました。

この記事では誰もが苦手とする『can』『can’t』の聞き分け方と発音の違いについて、徹底解説!

リスニング全般に役に立つ知識も盛り込んでいきます。

発音記号にあまり詳しくない方もなるべく理解できるように書きました。

少々長くなりますが、きっとお役に立てるはずです。じっくり読んでみてください。

【準備編】英語特有のリズムを知る

本題に入る前に、少し準備編として英語特有のリズムについて書いていきます。

『can』『can’t』の聞き分け方に限らず、英語のリスニング全般に言えることが、英語と日本語が全く違う言語だということ。

この認識はけっこう大事です。

まずは単語単位で違いを見てみます。

日本語では必ず、母音(a,i,u,e,o)と子音(母音以外の音 k,s,t,n…)をセットで、または母音単体で発音します。

例えば、「名前 /namae/」。
「ナマエ」と発音しますよね。

この発音の性質から、日本語はのっぺりとした、強弱のリズムのない平坦な発音をします。

それに対して英語では、必ずしも母音と子音がセットではありません。これが英語特有のリズムを生み出しています。

例えば、「name /néɪm/」。
これは/néɪm/の e にアクセントを置きます。最後のmに母音が付いていないのも特徴。無理やりカタカナで書くと「ネィm」という感じ(最後のmは唇を閉じるだけ)。

このように単語単位でみても、英語と日本語はものすごく違う言語です。

 

単語が連なり文章となると、より英語特有のリズムが出てきます。

英語特有のリズムの特徴はざっとこんな感じ。

  • 強弱の波
  • グループ制
  • 等時性
  • 緩急の差
  • 弱形

これらの中で今回取り上げたいのが、『強弱の波』『弱系』

この2つが『can』『can’t』の聞き分け方と発音の違いを理解するのに欠かせません。

 

英語特有のリズム:強弱の波

英語では文章中で強弱の波があり、ある部分は強く、ある部分は弱く発音します。

ただ文章中で強く読む単語と弱く読む単語はランダムではなく、おおよそ決まっています。

NOTE

内容語:意味内容が深い語
→強く読まれる
(ex)動詞、名詞、形容詞、副詞、疑問詞、数詞、否定語
※否定語は一般的にこれらの分類に含まれませんが、強く読まれるグループということで便宜上入れています。

 

機能語:主に文法上の関係を示す語
→弱く読まれる
(ex)助動詞、前置詞、代名詞、接続詞、関係詞、冠詞

抽象的でわかりにくいと思いますので、例を出して説明します。

発音記号が登場しますが、感覚的な説明も入れるので発音記号を知らない方でもおおよそ理解できると思います。(この記事では米国英語の発音記号を用います。)

”He should go to the school.”
彼は学校に行くべきだ。

辞書の発音記号とおりに発音すれば次のようになります。

/híː ʃʊd goʊ tu ðə skul/

ですが、実際にはこのように読まれません。

実際にはこのように読まれます。

/hi ʃəd goʊ ðə skul/

下線付きの単語は先ほど説明した『機能語 』で、基本的に弱く発音されます。

the以外の下線付きの単語の発音記号が変化しているのが分かりますでしょうか。(theはすでに短く読める音なので変わりません。)

このeがひっくり返った発音記号『ə』は母音のa,u,oどれでもない、のどの奥から出すぼんやりとした発音になります。

またイントネーションも弱くなります。実際の発音の雰囲気はこんな感じ。

”He should go to the school.”
/hi ʃəd goʊ tə ðə skul/

ポイントは実際のスピーキングでは、機能語(内容があまりなく主に文法上の関係を示す語)は弱く、ぼんやり読まれること。

これが原因で英語の発音には『強弱の波』が生まれるのです。

英語圏の方にとってはこの『強弱の波』が自然なので、日本をしゃべるときにもこのリズムが自然と出てしまいます。

英語圏の方が下のように話しているのが簡単にイメージできると思います。

しのえはムです。」

これは体に染みついた英語独特の『強弱の波』が原因だったんです。

 

英語特有のリズム:弱形

英語には英語独特の強弱の波があることをお話ししました。

その英語の発音リズムの中で、弱く発音される語(機能語)は辞書に載っている発音記号とは違った発音がされるんでした。

この弱く発音される形を『弱形』と言います。

(文法用語なので覚える必要はありませんが、今後の英語学習でも間違いなく出会うので、覚えておいて損はないと思います!)

例えば、さっきの例文の『to』は辞書的な発音は /tu/ (トゥ) ですが、弱形は /tə/ です。

英語の文章の中で弱く発音される単語に対して、しばしばこの『弱形』が適用されます。

この『弱形』が英語のリスニングと発音を難しくさせる大きな要因の1つ。

ぼくは初めてこの弱形を知ったとき「辞書と発音が違うだと…話が違う。ずるいじゃないか。」と思いましたよ。

しかも、弱く読まれる機能語には助動詞も含まれます。「助動詞ってめちゃくちゃ内容含んでない?」ってぼくは思うんですけどね。

これはこういうもんだと思って慣れるしかないです!

準備編のポイント
  • 英語と日本語は全く別物。
  • 英語特有の『強弱の波』を知ろう。
  • 意味のある『内容語』は強く読まれ、意味をあまり含まない『機能語』は弱く読まれる。
  • 弱く読まれるとき、辞書とは違う発音の『弱形』で発音される。

 

『can』『can’t』の発音の違いと聞き分け方

『can』『can’t』はちゃんと別の発音!

さて、やっとここから本題です!

内容語と機能語についてもう一度。

NOTE

内容語:意味内容が深い語
→強く読まれる
(ex)動詞、名詞、形容詞、副詞、疑問詞、数詞、否定語
※否定語は一般的にこれらの分類に含まれませんが、強く読まれるグループということで便宜上入れています。

 

機能語:主に文法上の関係を示す語
→弱く読まれる
(ex)助動詞、前置詞、代名詞、接続詞、関係詞、冠詞

注目してほしいのは助動詞は機能語で弱く読まれ、否定語は強く読まれるところ。

つまり、助動詞単体の『can』は弱形をとり弱く読まれるのに対して、助動詞 + 否定語の『can’t』は比較的はっきり読まれます。

発音記号を使って説明します。感覚的な説明もはさんでいきます。

辞書的な『can』の発音は /kæn/ 、弱形は /k(ə)n/ です。

助動詞単体の『can』はしばしば弱形を取るので、基本的に『can』は弱形の /k(ə)n/ と発音されます。(ə)はここも省略される場合があることを示しています。

繰り返しになりますが、『ə』は母音のa,u,oどれでもない、のどの奥から出すぼんやりとした発音です。

一方で、助動詞 + 否定語の『can’t』は比較的はっきり読まれます。『can’t』の発音記号は /kæːnt/ 。ですが、実際はよく文末の『t』が読まれません。

正確には文末の『t』の破裂音が破裂しなくなり、『キャ(ー)ンン』という感じ。『t』って言いたいんだけど、直前で止めるって感じが一番近いと思います。

『t』の音を止めることで『can’t』から次の単語に移るまでにちょっと時間ができます。これが大事。雰囲気は『キャーンン』。

aとeが合体した記号『æ』は雰囲気的には日本語の『ア』と『エ』を合わせて発音する音です。

『エ』の口をして『ア』というとそれっぽくなります。日本語にはない音ですが、はっきりと発音される母音の1つです。

『can』『can’t』の発音

『can』の発音→ /k(ə)n/ (弱形)
辞書的な発音から大きく離れていることがポイント。

 

『can’t』の発音→ /kæːn(t)/
『キャーンン』という感じ。次の単語に移るまでにちょっと時間ができる。

 

『can』『can’t』の聞き分け方はこれ!

これまでに紹介した英語独特の強弱のリズム、『can』『can’t』の発音の違いから、実践的な聞き分け方を紹介します。

例を出して説明します。

①”I can see it.”

②”I can’t see it.”

私はそれが見える(見えない)

①について、単体で使われる助動詞『can』は弱形をとり、弱くぼんやり発音されます。

強く読まれる箇所は動詞(内容語)の『see』のみ。

 

②について、助動詞 + 否定語の『can’t』は比較的はっきり読まれます。

強く読まれる箇所は『can’t』と『see』の2つ。ただし、『can’t』の『t』は読まれないことが多い。

その代わり『can’t』の次の単語に移るまでにちょっと時間ができるのがポイント。

 

発音記号も合わせて発音の雰囲気を書いてみます。

①”I can see it.”

/ k(ə)n siː ɪt/

②”I can’t see it.”
/ kæːn(t) siː ɪt/

『can』『can’t』の見分け方
  • 文中で弱く読まれていたら『can』、比較的はっきり読まれていれば『can’t』。
  • 次の単語に移るまでにちょっと時間ができていれば、『can’t』。(『t』って言いたいんだけど、直前で止めて『キャーンン』という感じ。)
  • 発音記号が分かる方は『ə』と『æ』の音の違いで聞き分けることができます。(『ə』はのどの奥から出すぼんやりとした音。『æ』は『ア』と『エ』の中間の音の感じでハッキリ読まれる。)
  • もちろん前後の文脈からの推測も有効です。

 

おわりに

今回は『can』『can’t』の発音の違いと聞き分け方について書きました!

実際にお持ちの英語教材やYouTubeで英語を聞いて、聞き分けにチャレンジしてみてください。

さらに英語独特のリズム、『強弱の波』や『弱形』についてもお話ししました。

これらは『can』『can’t』の聞き分けのみならず、リスニング・スピーキング全般に役に立ちます。

また、よく言われることですが『スピーキングの練習をするとリスニング力も上がる』は正しいと思います。

正しい音を知らないと、発音できないと、聞き分けることはかなり難しいと思います。

リスニングに伸び悩んでいる方はぜひ、発音の勉強をしてみてください。ぼくも発音の勉強をしてからTOEIC900の壁を突破することができました。

きっと効果があるはず。

2017.10月のTOEICで905点を所得したので、ぼくの英語に関する知識をどんどん記事にしていこうと思っています!

次回は『留学なし完全独学でTOEIC905点を取った勉強法』について。

この記事が参考になれば、ぜひSNSでのシェアをよろしくお願いします!

 

最後にぼくの発音勉強のバイブルを紹介します。たぶん少しマイナーな参考書。

ぼくのTOEIC900点突破に大いに役立った本です。少しでも気になれば、ぜひ詳細やAmazonレビューをのぞいてみてください。

ただ、分厚いのでやりきるには根気が必要。未だにぼくもまだ完璧ではありません。

ただ内容の網羅性と濃さは間違いなく断トツ。体系的に発音を学べます。

ただ、1つ1つの母音や子音については別で学習した方がベター。記載はあるんですが、サンプル数が少なくて難しそう。

この導入のためには、有名なフォニックスがおすすめ。

初心者にも超分かりやすく発音の基礎が書かれています。

発音するときの口の形や舌の位置のイラストがとっても分かりやすい。また、英語のつづりの法則など色んな知識を仕入れることができました。

ただ、発音記号が書かれていない点がマイナスポイント。

ぼくは毎回発音記号を書き込んで使いました。これはこれでいい勉強になりましたね。

また、単語単位での発音しか勉強できないため、フォニックスだけでは不十分。

文章単位で発音を勉強するためには、先ほど紹介した英語の発音パーフェクト学習事典でもいいですし、他の参考書に写る必要があります。

 

英語学習に終わりはありません。一緒に地道にコツコツがんばりましょう!

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