【5分でわかる!】研究室での英語論文の読み方のコツ

(2018.10.2更新)

こんにちは、大学院生ブロガーのタケシ(@rabotiku_sato)です。

研究室に配属されてから、英語の論文を読まないといけないのってけっこう大変じゃないですか??

ぼくも研究室に配属された当時はめっちゃ戸惑いました。。

研究室に入った当日、いきなり先輩に「これ暇なときに読んどいて」って英語の論文を渡されたんです。

「わかりました!」と元気に答えるも、内心は「マジかよ。。」でしたね(笑)

はじめの頃は「単語わかんね。」、「一文長くない?」、「眠い。」しか感じませんでした。

そんなぼくでも1年も研究室にいると、だんだん読み慣れてきたんです。

以前とは比べ物にならないほど読むスピードが速くなりました。

そして、だんだんと効率的な読み方が分かってきました!

この記事では、英語論文に苦しんでいる理系大学生・大学院生に向けて、英語論文の効率的な読み方をお伝えしていきます。

 

どうして英語論文を読むのが難しいのか

そもそもどうして英語論文を読むのって難しいんでしょうか。

おそらくこの3つが、英語論文が難しい主な原因だと思うんです。

  • 単語がわからない
  • 文法がわからない
  • 話の流れがわからない

それぞれの原因に対して対処法を考えていきましょう!

単語学習に近道なし

残念ながら、単語に関しては慣れるしかありません。

それぞれの分野ごとに専門用語(technical term)があって、初めて見る単語も多いと思います。

大学受験では見かけなかったような

  • 学術的な英単語
  • 難しい物質名
  • 測定法など

いろんな固有名詞があって大変だと思います。

そんな時はどんどん論文に書き込んでいきましょう!

ワンポイントアドバイス

毎回書き込むのではなくて、はじめの1回だけ書き込むのがオススメ。

同じ単語を2回目に見た時は、一度思い出すようにしてみる。

思い出せなかったら一回目の答えを見に行く。

こうすると習得が早いと思います。

ホントにはじめの頃が一番大変だと思います。

でもはじめの頃からきっちりやってると、だんだん知っている単語が増えていきます。

そして、あとあと絶対ラクになるから踏ん張りましょう!

逆にこの作業をさぼっていると、一向に上達しませんよ~。

 

文章が長い?区切って考えて!文法は基本の組み合わせ

英語論文を読んでいると、「この一文長すぎ!」「文構造どうなってんの?」と思うこともあると思います。

そんな時は冷静にその文章を区切ってみましょう。

  • 接続詞(that, when, while, though…etc)
  • ,(コンマ)
  • that節
  • 関係代名詞(that, which, who)

で区切っていけるハズ。

一見長く見える文章でも、冷静になって分解してみると案外理解できるものです。

そもそもミスリードが起きないように正確な英語で書かれているので、読みやすいはずなんです。

 

しかも分解してみると実感するかもですが、英語の論文に使われている文法は意外と超シンプル。

大学受験レベルで十分に対応可能。

たぶん大学生になって英文法の知識が抜けているだけだと思います。

TOEICの勉強もかねて、英語の文法の勉強はやり直す価値アリですよ!

高校の時の参考書をひっぱりだしてもいいし、新しく参考書を買うのもアリ。

 

読み方のコツは論文の流れを知ること

ミミ

慣れていない人にピッタリの、英語論文の読み方のコツとかないの?

じゃあどうすれば英語論文は読みやすくなるのか。

ズバリ論文の流れを知ること。

何がどこに書いてあるのかがよくわからないから、戸惑っちゃうんです。

この論文の流れを知ることで、かなり読みやすくなる。

 

安心してください、日本語の文章とほとんど流れは同じなんです。

これから論文の流れにフォーカスして、効率的な英語論文の読み方について書いていきます!

 

英語論文の流れはズバリこれ!

これが英語論文の流れです。

  1. Abstract (要約)
  2. Introduction (イントロ)
  3. Results (実験結果)
  4. Discussion (議論・考察)
  5. Conclusion (結論)
  6. Method (実験方法)
  7. References (参考文献)

Discussion (議論・考察)とMethod (実験方法)はあったりなかったり。

また順序も多少前後するかもしれませんが基本的な流れはこう。

見ての通り、日本語の本とかと同じ順番ですよね。

イントロがあって、結果、考察があって結論がある。

まずはこの流れをざっくりと頭に入れてみてください。

 

これからこの順番を踏まえて、どの順で読めば効率的なのか、各セクションでどういった内容が書いてあるのか、紹介していきますね。

(ちなみに、ぼくは電子系の研究室に所属しています。分野によって多少違うところもあると思います。ご了承下さい。)

 

英語論文の効率的な読み方|目的意識と読む順番が大事

英語論文を効率的に読みために大事なのは次の2点。

  • 論文を読む目的を明確にすること
  • 前から読む必要なし!読む順番を工夫する

まずは読む目的を明確に

まず前提として、英語論文を隅々まできっちり読む必要は全くありません。

英語を完璧に理解する必要はなく、論文の要旨がわかり、自分の欲しい情報が手に入ればOK。

そのために論文を読む前に、読む目的を明確にしておきましょう!

  • 測定方法を理解したい
  • ある現象の理論を理解したい
  • 現在のトップの結果を調べたい
  • いい結果が出ている材料が知りたい
  • 自分と似た実験でどのような結果が出ているのか知りたい

などなど、いろいろあると思います。

これを意識するのはけっこう大事です。

まずはその論文を読む目的をクリアにしてみましょう。

 

前から読む必要なし!読む順番を工夫する

次に英語論文を効率的に読むためのコツを紹介します。

ズバリ、順番通りに読まないこと。

先に結論から言うと、こんな順で読むのが正解だと思います。

  • STEP.1
    Abstract (要約)
  • STEP.2
    Introduction (イントロ)の後半
  • STEP.3
    Results (実験結果)の図や表
  • STEP.4
    Introduction (イントロ)
  • STEP.5
    Results (実験結果)
  • STEP.5
    Discussion (議論・考察)
  • STEP.5
    Conclusion (結論)

前から読んでいくのではなく、Introduction (イントロ)の後半、Results (実験結果)の図や表を先に読むのがポイント。

まず英語論文の流れをつかむことが大事だという話を先ほどしました。

図や表は感覚的に何が書いてあるのかが理解しやすい。

だからこの部分を先に読んでおくことで、その論文の流れや要旨がなんとなくわかります。

 

またはじめのAbstract (要約)で、この論文に関するキーワードを拾っておくと、後でかなり読みやすくなります。

何についてに論文か、どこがこの論文オリジナルなのか、など。

ぜひマーカーなのでチェックしておきましょう。

こういった論文の流れや要旨を抑えておくと、再度一番はじめから読んでいった時に理解度がとても高まりますよ!

 

英語論文の各セクションの内容

次に各セクションの内容について。

  • どのセクションにどんな内容が書いてあるのか
  • 目印の英語は何か

をまとめてみました!

また、さきほど隅々まで論文を読む必要はないと言いましたが、その手抜きポイントにも触れていきます。

Abstract (要約)

Abstract (要約)にはその論文の要約が書いてあります。

論文の流れをつかむ上で、けっこう大事なセクション。

繰り返しになりますが、Abstract (要約)でこの論文に関するキーワードを拾っておくと、後でかなり読みやすくなります。

Introduction (イントロ)

Introduction (イントロ)はたいてい数段落に分かれていて、同じ分野なら前半は大体同じ内容が書いてあります。

後半からが大事で、この論文の内容、トライしたことについて書かれているはず。

Introduction 前半の目印英語

①「〇〇は近年注目を集めている。」

Over the past decades, 〇〇 have attracted a great deal of attention.

②『しかしさらなる応用には△△が課題である。』

Although 〇〇 have been developed, △△ still limit the viability of that.

といった感じ。

自分の研究分野の概要や背景、直面している問題などが書かれており、はじめの頃は大変勉強になる部分。

慣れてくると一番の手抜きポイント。

Introduction の後半の目印英語

後半からがその論文の始まり。Abstract(要約)で拾ったキーワードが登場するはずです。

「この分野の現在の課題が〇〇だから、それに関して△△を調べました。」というのがたいていの話の流れです。

英語の「This paper reports ~」、「In this study ~」、「We studied ~」に注目。

この目印英語の後、この論文の内容、トライしたことについて書かれています!

Results (実験結果)

Results (実験結果)に論文で行った実験の結果が書いてあります。

先ほども書きましたが、大切なのは図(Fig.)と表(Table.)。

図や表にはこの論文で言いたいことが詰まっている!

目印英語は、「Fig. 1 shows that ~」、「~ are shown in Table. 1」、「As shown in Fig. 1, ~」。

この英語の前後に実験結果、図や表が意味することが書かれています。

そこがこの論文で一番主張したい部分なので、一番集中して丁寧に読むべきところです。

大切な箇所は蛍光ペンでマーカーしておくと、後で読み返したときにラク。

論文を読み進んでいくと、かなりの数の論文が溜まります。

時間がたって、論文を読み返すときには、どこに大切なことが書いてあったのか忘れてしまっている場合が多いです。

読み返したとき、サッと主旨を見つけられると、かなりの時短に!

Discussion (議論・考察)

Discussion (議論・考察)では前セクションの実験結果をふまえて、議論や考察がなされます。

結果を裏付ける根拠、結果が意味すること、著者の考えなどが書いてあります。

正直このセクションが一番難しい。。

結果を見るだけならまだしも、結果の意味や議論となると、4年生にとっては、勉強が追い付いておらず理解不能なところが多いと思います。

というかぼくは大学院に進学した今でも、まだまだ難しいです。。

でもそれでいいと思います。ぼくもそうです。そんな時は先輩に聞いてみましょう!

「ここまでは理解できたのですが、この内容がわかりません。教えていただけますか。どこで勉強すればいいですか。」と質問すれば、教えてくれるはず。

ただ、先輩に丸投げするのは絶対にNGですよ!

Conclusion (結論)

Discussion (議論・考察)まできちんと読めていれば、ここの内容は繰り返しなので、スラスラと読むことができると思います!手抜きポイント。

自分の理解が合っているかどうか、読みながら確かめましょう。

また、論文の中でよくわからないところがあった場合に、結論を先に読んじゃうのもありだと思います。

Conclusion (結論)では、Results (実験結果)やDiscussion (議論・考察)の内容を短くまとめてくれています。

だから頭がこんがらがった時、Conclusion (結論)を読むと、頭の中を整理ができるかもしれません。

そのあとで戻り読みすれば効果的だと思います!

Method (実験方法)

Method (実験方法)では、その名の通り実験方法について書いています。

実験で用いた機器や材料、測定方法、デバイスの作成手順など。

Method (実験方法)も同じ分野なら大体書くことが決まっています。手抜きポイント。

だから慣れてくると、全部丁寧に読む必要がなくなってきます。欲しい情報だけを読み取れば十分。

ちなみに教授曰く、Method (実験方法)には実験のノウハウや注意事項といった、コアなことは書いていないそう。

やはり研究も競争なので、簡単にまねされたら困りますもんね。

References (参考文献)

最後に乗っているのがReferences (参考文献)。

この論文を書くにあたって、参考にした文献が乗っています。

論文を読んでいると、時々文末に小さく[]と書いてあります。

その文中の番号が、このReferences (参考文献)の番号に対応しています。

「この部分はこの論文に書いてますよ」っていう感じ

基本的にはノータッチでOK!手抜きポイント。

ですが、もし論文を読んでわからないこと、詳しく知りたいことがあったら、その文章の末尾についている番号の参考文献を検索して、勉強することも可能。

まとめ|効率的な読み方と各セクションの内容

最後にざっとおさらいです。

効率的に英語論文を読むための2つのコツ

  • 論文を読む目的を明確にすること
  • 読む順番を工夫すること
  • STEP.1
    Abstract (要約)
  • STEP.2
    Introduction (イントロ)の後半
  • STEP.3
    Results (実験結果)の図や表
  • STEP.4
    Introduction (イントロ)
  • STEP.5
    Results (実験結果)
  • STEP.5
    Discussion (議論・考察)
  • STEP.5
    Conclusion (結論)

前から読んでいくのではなく、Introduction (イントロ)の後半、Results (実験結果)の図や表を先に読むのがポイント。

ざっくり内容を理解して、英語論文の流れをつかむことが大事。その後に詳しく読んでいく。

最初のざっくりは、ホントにざっくりでいいと思います。

読み進めていくと、大事なところはちゃんと何度も主張してくれます。

 

英語論文を読む時の手抜きポイント

英語論文を読むときの集中ポイント、手抜きポイントをまとめました。

  1. Abstract (要約)┃集中
  2. Introduction (イントロ)┃後半集中
  3. Result (実験結果)┃集中
  4. Discussion (議論・考察)┃集中
  5. Conclusion (結論)┃手抜き
  6. Method (実験方法)┃手抜き
  7. References (参考文献)┃手抜き

こう見ると、英語論文の量が減って、気持ちがかなりラクになりませんか?(笑)

 

最後に

ぼくが研究室に入った時、だれも英語の論文の読み方なんか教えてくれませんでした。

まあ大人になるってそういうことなんでしょう。

がむしゃらに英語論文と格闘していた当時のぼくに向けて、当時知りたかったことを思い出して、この記事を書いてみました。

はじめからスラスラと論文を読める人なんていないと思います。

こんなこと言っちゃ元も子もないんですが、正直一番の武器は『慣れ』なんです。

この記事を読んで、あなたが英語論文を読み慣れるのがちょっとでも早くなれば嬉しいです。

 

(追記)英語に関する記事を他にも書いています!

この記事は毎日たくさんの方に読んでいただいています。

とても嬉しいです。ありがとうございます。

実はあれから英語をたくさん勉強して、けっこう力が付きました。

TOEICは970点を所得。(L:495, R:475)

英語に関する記事をたくさん書いているので、ぜひそちらも見てみてください!

 

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